お子さんが高熱を出し、看病していたその時。
突然、白目をむいてガクガクと震え出し、呼びかけても反応しなくなった——。
初めて「熱性けいれん(ひきつけ)」を目の当たりにした親御さんは、ほぼ100%パニックになります。
「このまま死んでしまうのではないか」と、震える手で119番通報をしてくるお母さんやお父さんの涙声を、私は救急現場で何度も聞いてきました。
この記事を書いている私は、現場経験がある救急救命士です。
私自身、小学生の娘がいますが、小さかった頃に目の前で突然けいれんを起こしたことがあります。
いくら仕事で知識があっても、一人の親として冷静ではいられず、慌ててしまったことを思い出します。
それくらい、けいれんは見た目のインパクトが強く恐ろしいものです。
しかし、結論から言います。
「熱性けいれんの多くは数分で自然に治まり、脳に後遺症が残ることもありません。」
いざという時、親がパニックにならずに正しい行動をとれるよう、プロの視点から
- 「けいれんが起きた瞬間にやるべき3つのこと」
- 「絶対にやってはいけないNG行動」
- 「救急車を呼ぶべき危険なサイン」
これを世界一わかりやすく解説します。
お子さんが熱を出したときのお守り代わりに、必ず最後まで目を通しておいてください。
けいれんが起きたら!親がすぐやるべき「3つの鉄則」
お子さんがけいれんを起こした瞬間、親がやるべきことは「観察」と「安全確保」です。以下の3つだけを落ち着いて実行してください。
① まずは時計を見る(時間を測る)
これが一番重要です。
けいれんが「何分間続いているか」は、後で医師や救急隊が緊急度を判断する最大の材料になります。
パニックになると1分が10分にも長く感じられるため、必ず時計を見るか、スマホのストップウォッチ機能で時間を測り始めてください。
② 顔を横に向ける(窒息を防ぐ)
仰向けのまま嘔吐すると、吐いたものが喉に詰まって窒息する危険があります。
体を揺さぶらず、お子さんの体全体、あるいは顔だけでも横(真横)に向けてあげてください。
衣服の首元がキツい場合は、ボタンを外して呼吸を楽にしてあげましょう。
③ スマホで「動画」を撮影する
少し残酷なお願いに聞こえるかもしれませんが、可能であれば、けいれんしている様子をスマホの動画で撮影してください。
「手足は両方震えていたか、片方だけか」「目はどちらを向いていたか」といった情報は非常に重要ですが、言葉で正確に伝えるのは困難です。
動画が1つあれば、お医者さんに一瞬で正確な情報が伝わり、最適な治療に繋がります。
命に関わる!絶対にやってはいけない「3つのNG行動」
昔のドラマや間違った知識によって、良かれと思ってやってしまうと逆に命の危険を招く行動があります。
- ❌ 口の中に指やスプーン、タオルを入れる
「舌を噛まないように」と口に物を押し込むのは絶対にNGです。舌を噛んで命を落とすことはありませんが、入れたスプーンで歯が折れて喉に詰まったり、親の指を噛みちぎってしまったりする大事故に繋がります。口の中には何も入れないでください。 - ❌ 大声で叫びながら、体を激しく揺さぶる
「〇〇ちゃん!起きて!」と体を揺さぶっても、けいれんは止まりません。むしろ、刺激を与えることでけいれんが長引いたり、嘔吐を誘発したりしてしまいます。 - ❌ けいれんを無理やり力で押さえつける
ガクガク震える手足を、親が力ずくで押さえつけないでください。関節を脱臼したり、骨折させてしまったりする危険があります。
迷わず119番!救急車を呼ぶべき「危険なサイン」
熱性けいれんの多くは数分(長くても5分以内)で自然に治まり、その後はスースーと眠りにつくことがほとんどです。
その場合は、落ち着いてからかかりつけの小児科や夜間救急を受診すれば大丈夫です。
しかし、以下の「危険なサイン(レッドフラッグ)」が1つでも当てはまる場合は、迷わず今すぐ119番通報をしてください。
- けいれんが「5分以上」続いている
- けいれんが治まった後、意識が戻らないまま2回目のけいれんが始まった
- 体の「左右どちらか片方だけ」がけいれんしている
- けいれんが治まってしばらく経っても、意識が戻らない(呼びかけても目を開けない)
- 初めてのけいれんが、生後6ヶ月未満、または6歳以上で起きた
これらは、単純な熱性けいれんではなく、脳炎や髄膜炎など、別の重大な病気が隠れている可能性を示すサインです。
一刻も早く病院で処置をする必要があります。
まとめ:親の「冷静な観察」が最高の特効薬
いかがでしたか?
目の前で我が子が倒れる姿を見れば、誰だって動転します。
でも、この記事を読んだあなたなら大丈夫です。
- 「時間はどれくらいか」
- 「吐いたものが詰まらないか」
- 「どんな震え方をしているか」
お父さん・お母さんがパニックにならず、この3点を冷静に観察してくれることが、お子さんの命を守り、現場に駆けつける私たち救急隊にとっても最大の助けになります。
もしもの時に備えて、この記事をブックマークし、ご夫婦ですぐに見返せるように共有しておいてくださいね。
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